NO.127のモーリスTF-W50に続いてOさんよりモーリスFC-13のクリーニングメンテナンスのご依頼を頂きました。
掘り出し物のギターを見つけてきては月に何本もクリーニングメンテナンスのご依頼をいただいておりますが今回は珍しい71年製のモーリスFC-13を持って来て頂きました。
早速状態をみますとブリッジに隙間がありかなり浮いておりましてまあ何とかしておきますということで弦を外すとブリッジが完全に剥がれていてブリッジピンで止まっていた状態でした(まあ剥がす手間が減りましたが、こんなに奇麗に剥がれるものなのかと思えるくらいに見事に剥がれていました)
ギターに関して目利きの鋭いOさんにしてはこのような状態を見逃しておられたので油断していたのでしょうか?(どこで買ったか聞いていませんが仮にジャンクだと知っていて買ったとしても、売る側の立場としてこのような状態のものを売るということは同じ立場の者としていかがなものかと思いました。)
修理に掛かる余計な出費も掛かりますし(常連のOさんなのでほとんどボランティア価格でやらせていただいておりますが…)このようなジャンクなアコギを買う時のチェックするポイントとして、ネックの反り、12Fの弦高、ブリッジの浮き、フレットの減り、力木の浮き(指でコンコンと軽く叩く等)くらいの確認はしておいた方が良いと思います。(ジャンクな場合、弦も張れていなくて試奏もしないで買うことが多いでしょうし、何らかの不具合があるからジャンクなのです!)
このような少しかわいそうなFC-13を見て何とかしてあげようという気持ちになりました。
取れたブリッジを見ると接着材が元々雑に塗られていました(これじゃーそりゃ~剥がれるわ!)古い接着材をサンドペーパーで剥がし、ボディ側も塗装の上から接着されていたのである程度塗装をはがして、新しく買ったブリッジ貼付けの治具を使ってみました。
が…、この治具で固定するとブリッジの上面にRが付いていて湾曲しているのでそのせいで治具が斜めって、ブリッジの前方の押さが弱くなることが判り、追加でクランプで押さえの弱い部分を押さえつけるようにして対応しました。(まあ安かったのでこんなもんでしょう…)
翌日ブリッジの治具を外して、取付け状態を確認して無事しっかりとブリッジが付いています。
ボディ全体、ペグ、フレット等全て磨き上げ新しい弦を張り音出ししますとしっとりとした心地良くて、どこか懐かしい響きがしました。
ネック幅が広くてクラッシックギターのような握り心地でそこまで弾きにくくもなく慣れるとこれはこれで弾きやすくて以外に良い感じです。
このモーリスを見ているとボディの形が面長で馬ずらでなんかしゃべりだしそうな感じがする愛嬌のある見た目です。(直してくれてありがとうと言ってくれているような気がします)
初期の希少な12fジョイントのモーリスを復活させることが出来てよかったです。
オーナー様も直ぐには売らずに気に入ったのでしばらくは自分で弾いて楽しんでくれると思います。
このモーリスFC-13を取りに来て頂いて立て続けに4本のアコギ(全てドレッドタイプ)のメンテナンスのご依頼を頂きましたのでまた紹介していきます。
Oさんいつも沢山のアコギのメンテナンスのご依頼を頂き、ありがとうございます。
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