NO.183、マーティンD-41に続いてSさんより、ヒルビリーW-40のリペアーのご依頼を頂きました。
某オークションサイトにて入手されたこのヒルビリーですが、1弦のビビりがあるのと弦高調整等良い感じに調整して欲しいとの事で、その他替が必要なところはお任せしますとの事で、古びたナットの交換とサドルを見た感じプラ製の様でしたのでそれぞれ牛骨製に交換します。
Sさんが以前にジャパンヴィンテージで良いのを探しておられるという事で早速、鈴木製のヒルビリーの上位機種のW-40を入手されたので状態を診ると77年式〔年式をご存知という事は前のオーナーさんのワンオーナー品⁉︎)という事で年式の割に状態は良く、フレットの減りも少なくてトップは単板でサイドバックはハカランダという事で奇麗な木目のスリーピースバックで裏板にもパール風なインレイが施されていて中々ゴージャスな作りのW-40でございます。
ピックアップも取付けて欲しいとのことで、届いたら後日持参頂けるとのことでした。
ネックのヒールキャップに木目調のシートが貼られていたので取除き、かなり黄ばんで劣化していたので補修して色を合わせました。(なんでここだけこんなに黄ばんだ色になるのかな!?)
古いナットを外してナットの溝に付いた接着材を取り除いて掃除しておきます。
ペグも奇麗でしたけど外して磨いておきました(年代物のゴトー製の本体が黒の樹脂製のやつです)フレットも奇麗に磨きました。
ナット・サドルも取付けて弦高も低めに6弦12Fで2.2ミリ、1弦2ミリ弱に調整しました。
スズキのサドルって長さが短くて(65ミリ)他は大体70ミリなんですけど…。
あと、最初ブリッジピンが少々突き出ていたのでピンを少しヤスっていい塩梅の押し込み加減にしておきました(こう言う細かい所が結構気になったりしてしまいます…)
ヒルビリーってどんな意味なのか調べると、「山に住む白人」とか田舎者みたいな意味で、アメリカ東部を南北に貫くアパラチア山脈、その南側の地域の山中に住み着いた「スコッチ・アイリッシュ」の人々がヒルビリーと呼ばれていたらしいです。
へぇー、ポジションマークのインレイが珍しいピラミッド型がなんでその意味からするとアパラチア山脈を表しているのではないかと勝手に推測するのですが、どうんんでしょうか!?
一旦、仕上がったW-40に後日持参頂いたモーリスのCP-3ピックアップを取付けます。
(このピックアップ、購入者さんのレビューを見ると皆さん音には満足されているようなんですが、ジャックの外径が11ミリで他は大体12ミリ、なのと穴にきっちりと差し込んで固定なので(普通はナットでボディの中、外から挟んで固定)12ミリでの穴を開けるとグラグラになるようで、皆さん取付けに苦労しているようでした)
私も11ミリのドリルは持っていなかったので10ミリを開けて、丸やすりで少しずつ削ってジャックを差し込んでは削りと調整しながらきっちりと固定して結構手間の掛かる作業で、購入者さんのレビューに書かれている意味が良く分かりました。せめてジャックは12ミリのナット固定式にしてくれ~と書かれている方の気持ち良く分かりました!
コンタクトタイプのマイク部を説明書に書かれているブリッジ裏の5弦付近に取付けました(ピン穴にかぶらないようにブリッジピンを差し込んでから取付けました。取付け位置で拾う音が多少変わるかもしれませんね…)
アンプにつないで音を確認しました。
このCP-3、バッテリーもいらないシンプルなピックアップですが音も自然な生鳴りを出していて価格もお安く6千円くらいでコスパが良いのでお勧めいたします。(気に入ったので1個購入しようと思います)
仕上がりましたw-40を Sさんにお渡ししてアンプにつないで試奏していただき、大変気に入って頂きまして安心いたしました。
スズキのアコギって高音が奇麗でこの上位機種のW-40はほんとに鳴りが良くて良いのをゲット出来て良かったですね!
構造で特徴的なのがXブレーシングのクロスした外側に大抵小さな補強が左右にあるのが無くて、シンプルなブレーシングでその分ブレーシング自体が少しごつ目であったり先ほどのサドルが少し短いのだったりが独特の鈴木の鳴りの要素になっているのではないかと推測します。
D-41に続いて今回のご依頼もありがとうございました。
Sさんのフェースブックを拝見しまして、私の高校の先輩であることが分かりました!世間って狭いんですね~!
S先輩、こんな後輩ですがこれからもどうぞ宜しくお願い致しますね!
Comments