ビザールギターのテスコのメンテナンスのご依頼を頂きました。
60年代の最初のエレキブームの時代に造られたテスコWGシリーズです。
この4ピックアップ仕様のWG-4Lは最上位機種で50年以上経過した個体にしては状態は良いのですが、弦高がやや高く(6弦12F、約3ミリ)、4弦辺りでビビり等の症状を直して弾き易くなるようにとのご依頼です。
全体を観察しますと少し弦高が高めなのとヘッドのアングル(角度)が少なくてナットの弦間が33ミリと狭く(普通は35ミリ位)指板がフラットに近いのにブリッジのRは結構あったりとビザールギターって、なんか癖のあるギターやなーって印象です。
でも、持った感じが以外に軽かったりしてボディも薄めで軽~い(安っすい)木を使ってるんでしょうね~。
なのでナットを作り替えて弦高を低くしてビビりも治まるようにやってみます。
テスコやグヤトーン等ビザールギターは少し興味があってテスコだったらこれとちょっと違うKシリーズがいいな~と思っているのでいつか手に入れたいと思います。
4個のピックアップに対してそれぞれスイッチが付いていてオン、オフ出来るようになっています(この時代未だトグルスイッチってなかったのかな⁈で、その照明用のようなスイッチの動きがカチッとした感じではなくて緩いのでどんな作りになっているのか、見てみました。
ピックガード自体がアルミで出来ていてアースになっているようです。
スイッチは今のやつだったらバネが入っていてカチカチと入り切りするようになってるはずなんですが、このスイッチのは2本の板状の足のような接点がオンした時にオン用の接点を挟み込むような作りになっていたので、2本の接点をラジオペンチで挟んで狭くしたのですが、スイッチの動き自体は余り変わりませんでした…。(サイズが合えば今どきのタイプに交換したいところですが、現状でスイッチとして機能はしているのでご勘弁を…、でも位置的に弾いているときに勝手にスイッチが動いてしまうかも…ですね~あっ、その下に謎の出力の変わるスイッチ(リズム⇔リード用の切換え⁈)があったり)
電気系統に接点復活剤を塗布しておきました。
ネックの仕込み角度に問題があるようだったのでネックポケットにシムを挟んで弦高が1ミリ程下がって良い感じになりました。
ナットを牛骨で作り替えて、弦を張り直してだいぶ弾き易くなったのですが、4弦のビビりがあったのでブリッジが怪しいと診ると調整用のネジを回してもブリッジの駒が動かない状態でばらして潤滑材を塗布すると動く様になってそれでビビりも少し治まってその辺りが干渉していてビビっていたのかな~という感じでした。
ポジションマークが四角で6弦側にあったり、あとトーンスイッチが0にしたら最大で10で最小(テスコは最初からそういう仕様みたいです)トレモロも独特で(中々良い感じで動いています)とても癖のある…(失礼!個性的で)好きな人には堪らないビザールギターですが、やっぱりストラトとかと比べると弾き易さではチョッとって感じはしますが、きちんとメンテナンスするとまだまだ使えるので、やっぱりテスコ欲しいな~って思いました。(日本より海外の方が有名ミュージシャンが愛用していたりで人気があるようですね~)
オーナー様の上得意様のFさんはもう一本、ロシア製のビザールギターも入手したみたいで⁉(益々ギターが増えますね~)また持って来てくれるのか楽しみにしています。
還暦になられたようで、希少でカッコいい真っ赤なテスコ弾きまくって下さいませ!
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