N様よりマルチネスのエレガットの弦高調整&ナット調整のご依頼をいただきました。
ドイツのメーカーのマルチネスというエレガットです。
オーナー様よりナットの取付け位置が1弦側に少しずれているので特に6弦を親指で押さえる時にやりにくいとのことで手で触るとなるほど少しナットが1弦側にずれているのが判りましたので取り外してほんの少し6弦側にナットの取付け位置をずらします。
それと弦高が現状6弦12Fで3ミリちょいということで、ナイロン弦でテンションが緩いのでこれくらいでも個人的にはいいのかなと思いますがもう少し下げて2.8ミリ位に調整していきます。
ナットを取りはずす際にヘッドの塗装を傷つけないように塗装の境目にカッターで切込みを入れてから少し温めてから熱を加えて接着材を緩めてから軽くハンマーで衝撃を加えてナットを外しました。
ナットの溝を掃除してナットを取付けます。瞬間接着剤をほんの少しナットに付けますが底面には付けずに指板面側に付けた方が音の影響が少ないと思っているのでそうしております。
オーナー様のリクエストでナットの溝が深くて弦が少し埋もれているとの事だったのでナットの上面を少し削ってナット溝を浅くして弦の断面が埋もれないようにしました。
(個人的には音にはそんなに影響するのかなぁと思いますが、ナット溝は浅くして巻弦の断面が半分くらい出ている方がかっこいいのでこのように加工することが多いですね~)
ついでにナットの形状が角ばっていてカッコ悪いので断面を丸めてペーパーで研磨してからコンパウンドで磨くとナットが輝いて少しだけ高級感がアップ⁈したように感じました。
サドルを少し削って弦高を下げようと状態を観ているとエレガットなので指板の断面はフラットなのかなと思っていたのが、普通にアールが付いていてサドルのRと指板のRが合っていないことに気付きました。(サドルのRが殆ど付いていなくて1弦側から6弦側に直線的に高くなっておりました)
なので元々1弦側の弦高は2.2ミリ程だったので高さを変えずに6弦側を2.8ミリ程になるようにサドルを削るとサドルのRが指板のRに近づいて理想的な状態に近づきました。
元々弾きにくい⁈とオーナー様が気になっていたのはこれも要因の一つだったのかと思います。
原理原則に従って現状をよく観察して改善(修正)してあげれば、おのずと良い状態になって弾き易い状態になるというのが良く判った今回の事例でございました。
サドルと指板のRが合っていないギターって結構あると思いますので改善すれば弾きやすくなったり意外な盲点かもしれませんね~
時々、エレガットを触らせて頂く度に1本は持っておきたいな~と思うのですが、このマルチネスは弾きやすくてコスパが良さげで、中々いいな~と思えるエレガットでございました。
オーナー様のNさんはいつも御贔屓いただいているミルキーサウンドさんでよく演奏されているそうで、お渡ししたマルチネスを早速持って行って使ってみるとのことで弾きやすくなってこれからもライブで活躍してもらえるようになれば嬉しく思います。
この度のご依頼、ありがとうございました。<(_ _)>
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