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NO.527 Bruno Newyork 1890⁉

なんと~⁉1890年製のBrunoという凄いギターがやってきました~

オーナー様のSさんのお父さんが昔、アメリカで買ってきたギターでSさんが子供の頃にこのギターをおもちゃにして遊んでいたそうで、それ以来殆ど弾かれることなく何十年かぶりにハードケースを開けてみるとブリッジが浮いて弾けない状態になっていたのをお持ち頂きました。


お父さんが他界されているのでこのギターに関しての詳細は判りませんが、この年代物のギターを何とか復活させたいと思います~

ヘッド裏に手書きでOCT 12 1890と書かれております~134歳⁉

年代と木目の感じからしてサイドバックはハカランダ~ですよね~ サウンドホールから匂いを嗅ぐと甘ーい何とも言えないあの匂い(香り)が致します~


完全にブリッジが浮いていて手で簡単に外れました。

古い弦を緩める際に4弦のペグボタンがあっさりと割れました~(-_-;)

ボディ表面(ブリッジ接着面)が荒れていたので研磨してタイトボンドとサンドペーパーで削った木屑を混ぜて表面を整えてからブリッジを接着(丸二日間)しました。

ヘッドサイド両面の木ねじ周辺から亀裂が診られたのでこれも修理します。

ボディ内部を覗くとブリッジ裏のボールエンドが当たる箇所もかなり摩耗が診られます~

当初のご依頼内容のブリッジ修理に加えて追加の作業が増えていきます~何せ134歳のご高齢なもので、人間と一緒であちこち治すところがあるみたいです(人間だったら世界最高齢ですね~)

バックに入ったクラックは以前の修理で丸いパッチを当てる処置が施されておりました。

外したペグをよく見ると6弦側と1弦側で形状が違っておりました(1弦側のペグボタンが少し大きくて新しい感じです~なのでこちら側は割れずにしっかりとした感じです~)

ブリッジ裏のプレートはこのギターに合わせてこしらえたブリッジ裏板保護プレートを貼付けました。

壊れた4弦のペグボタンをプラスチックの修復に良いとうわさで聞いたプラリペアを使って何とか修復してみました(プラスチックの細かなパウダーに溶液を加えて割れた箇所に塗布してプラスチックを修復させます)

治ったのですが弦を張って何度かチューニングを繰り返していると再度ペグボタンが割れてしまい、さらに6弦のペグボタンも割れてしまいました~

他の方法を考えて手持ちの樹脂のペグボタンで代用して、新たに割れた6弦のペグボタンは4弦のペグボタンより割れ方がマシだったので、プラリペアで修復してチューニングしても何とかもちこたえております。

オーナー様に追加で掛かる作業内容を連絡しまして、ペグを交換したい所ですが予算の関係でこのままでよいとの事で~取り敢えずチューニングは出来るようにはなりました。

ブリッジ接着後、弦を張ってしっかりとブリッジが張り付いております。

年代物のギターですがネックの状態が良くて弦高もとても低くて(6弦12Fで約2ミリ)

130年前のBRUNOギターが復活致しました~

ボディ全体が乾いていて小さいサイズではありますが年期の入った素晴らしい鳴りが蘇ってくれました。

Sさんのお父さんの大切な形見のギターが復活して息子さんに受け継がれてこれからも末永く使われて行ってもらえるように頑張って作業して、Sさんに喜んで頂けたようでこの希少なBrunoに携わることが出来た事を嬉しく思いました。

ヴィンテージギターって趣があって良いものですね!

これからも大切にして可愛がって下さいませ~<(_ _)>



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